高峰秀子著「つづりかた巴里」中公文庫

イメージ 1
★ 高峰秀子は1924生まれ、2010に86歳で亡くなった女優だ。
私の好きな作品は「カルメン故郷に帰る」「放浪記」「無法松の一生」などだ。
カルメン」は知恵おくれの役柄だが、自然に見えるところが凄い。
「放浪記」も林芙美子はこういう人だったのかもしれないと思ったほど。
「無法松」は三船の存在感が強いので高峰の印象は少し薄くなるが、とても好きな作品の一つだ。
 
高峰秀子は1986生まれの杏と共通点がある。
飾らず素で話すところだ。 高峰は5歳から、杏は15歳から働いている共に苦労人である。
若くして苦労すると大人になるのが早い。
ひょうひょうとして落ち着いたイメージを持つのはそのためだろう。
 
高峰は幼くして働いていたため、小学校もまともに行っていない。
この本は1951年半年間単身暮らしたパリでの生活、1955年の松山善三との結婚、映画の現場の裏話などが飾らない文章でつづられている。
幼くして母を失くし恵まれない少女時代を過ごしたが、伴侶を得てからは充実した人生が過ごせたようだ。