「延安の娘」

☆ NHKのBS20周年企画の番組で放映されていた、タイトル名のドキュメンタリー映画を見た。
監督は池谷薫、2001に公開されている。
 
文革時代の延安で、北京から下方された若者同士の間に、生まれると同時に捨てられた女性が、結婚し子供が生まれたのを契機に、北京に暮らす親探しを始める。
先週の日曜日(3/21)、風景が黄色くこれほどの量は初めてと思われるほど黄砂が舞ったが、女性はその黄土高原で麦やりんごを育てながら、夫の両親・夫・幼い息子と懸命に生きている。
 
激しい労働や生きる苦労は人を何倍もの速度で老いさせる。
この女性も撮影当時は20歳代後半だろうが、40歳代にも見える。
 
養父母や嫁ぎ先の両親の反対など、さまざまな困難を乗り越えて、北京に暮らす父親を探し出し、会いに行く。
同じ境遇で、下方時代に自らの子供を中絶させられ、主人公の女性をわが子と思う女性の父親と同世代の男性が、身を粉にして女性を助ける。
母親は下方時代に子供を産んだことを秘して、今の夫と暮らしているため娘に会うことができない。
 
文革の残したもの、生きていくとはどういうことなのか?
とてもよい作品だった。