「約束の旅路」(2005.仏)

☆ 映画を録画するとき、内容を調べるのが面倒な時はタイトル名で判断する。
この作品はそうして録った儲け物だった。
 
監督はラデュ・ミヘイレアニュ、1958ブカレスト生まれで80年チャウシェスク政権の下フランスに亡命しているルーマニアユダヤ人。
 
舞台は1984年イスラエルと米国の指導のもと、エチオピアユダヤ人(ファラシャという)をイスラエルに帰還させる大規模作戦から始まる。
モーセ作戦といわれるこの移動は、8千人のファラシャがエチオピアからスーダン難民キャンプへ徒歩移動し、半分の4千人は飢えや病気で亡くなったという。
主人公はファラシャではなくキリスト教徒のエチオピア人である9歳の男の子で、母は息子を生き延びさせるため、ファラシャの女性に息子を託しエチオピアへ連れて行ってもらう。
 
偽りのファラシャとしてイスラエルで生きる葛藤や差別を経験しながら成人し、国境なき医師団の一人として難民キャンプに戻り母親と再会して映画は終わる。