「東京物語」1953作

★ もう3度以上は見ているのだが、デジタルリマスター版を録画していたので、またまた観た。
 
今回は原節子演じる次男の嫁(戦争未亡人)の心の動きに強く関心を持った。
戦死公報を受け取ったのでなく、戦後8年経つのに戦地から戻ってこないので、戦死したのだろうという設定になっていた。
年齢の設定は20歳代末か?
東京で会社の事務員として働き、自活しているが、未亡人として生きていくことに将来への不安も感じている。
東京や大阪で暮らす実の3人の子供たちよりも、この義理の娘と父母は最も心を通わせる。
 
笠智衆演じる父(72歳)と東山千栄子演じる母(68歳)には男3人女2人の5人の子供があり、三男を演じているのは大坂志郎だが、とりたてて重要な役柄でもないのだが、当時の家族構成を自然な形にするには、やはり欠けてはならない人物だ。
 
杉村春子演じる長女の発案で、父母を熱海の温泉旅行に行かせる。
若い客の多い騒がしい宿で、なかなか寝付けぬ老夫婦のスリッパが、廊下にきちんと揃えられている。
それが夫婦の寂しさと、騒がしさの中の場違いな違和感を象徴している。
 
 
★ 心配した台風が通過しつつある。
今回初めて、災害に備えてのエリアメールを何度か受け取った。
夜中に隣町の避難勧告のメールも入り、こんな時刻に暴風雨のなかを避難するのは却って危険なのではと感じた。
家の中で缶詰めになっていたので、生鮮野菜が食べたくなり、夕方買い物に出た。
大根・水菜・ミョウガに昆布茶をふりかけ、ナイロン袋の中に入れて振り、簡単サラダを作った。
秋刀魚の刺身も40%引きになっていたので、これらで夕飯にした。