ゆずり葉の頃

★ ソレイユ2で「ゆずり葉の頃」を見た。

中みね子監督は76歳での初監督作品で、主演の八千草薫仲代達矢はともに80歳代だし、どんな作品か興味があった。
長年夫の岡本喜八を支えてきたとはいえ、この歳で脚本を書き監督するという創造的な仕事をするとは普通の人にはできないことだ。

戦時中、軽井沢に疎開していた少女は清水が湧く池のほとりで少年に出会い、淡い憧れを抱く。
少年は長じて著名な画家となり、今では目が不自由になり絵筆を執ることはできないが、軽井沢で穏やかな日々を過ごしている。
ある喫茶店の主人やペンションの主人との出会いから、八千草演じる市子は仲代演じる老画家宮画伯の家を訪れることができ、ずっと憧れていた画に出会うことができた。
別れ際、市子は画家の妻に飴玉の入った巾着を手渡す。
その飴玉を受け取った宮は少年の頃の市子との出会いを思い出し、今出会った老婦人があのときの少女で会ったことに気づく。
市子はこの経験を通して、自分の終末への準備を決心する。

仲代は1932年12月生まれの82歳、八千草は1931年1月生まれの84歳、たいしたものだ。