ドニ・ムクウェゲ氏

ノーベル平和賞に決まった一人ドニ・ムクウェゲ氏のドキュメンタリー映画を、昨年1月に開かれたアムネスティ・フィルム・フェスティバルで観た。
フェスティバルで上映された8本のうち唯一劇場未公開の作品だった。
監督:ティエリー・ミシェル、コレット・ブラックマン/2015年/ベルギー/113分/ドキュメンタリー
邦題は「女を修理する男」原題は「The man who mends woman-the wrath of Hippocrates」

その時のパンフレットとメモから紹介したい。
ムクウェゲ医師は第2次コンゴ内戦(1998.8~2003.7)以来続く戦禍の中でレイプ被害にあった数多くの女性を治療し、彼女たちの精神的なケアと啓発活動に人生を投じたことが評価され、2014年にサハロフ賞を受賞した。
2012年には脅迫を受けるなど身の危険を感じたため、国外に逃亡したが患者たちの要望に応え翌年には戻り、国連平和維持軍に警護されながら医療活動を再開する。

コンゴ東部の暴力は、鉱山資源との関わりが切り離せない。豊富な鉱山資源は住民の居住区に埋まっていることも多く、住民を移動させる手段として性暴力が使われる。
性器にナイフを刺され、膣と肛門がつながっている患者や2ヶ月の赤ちゃんまでレイプ被害にあう。

コンゴ民主共和国政府は腐敗しており、とくに東部では司法が機能しておらず、国軍や警察も性暴力に加担する実態がある。
コンゴではスマホやゲーム機のコンデンサーに使われるタンタル原子番号73、Ta)が豊富に採れ、世界のタンタルの6割が埋まっているとされる。
武装勢力は鉱物を違法採掘する多国籍企業から賄賂を受け取り、活動資金にしている。

グローバル経済の中で起こっている紛争と性暴力、そしてその背景にある鉱物資源の問題。
本当に「修理」しなければならないのは何か。



※ 大阪発8時のバスがすでに運行しておらず、次男は電車に切り替え帰省途中。
マリンライナーが動いてくれていることを願うばかり。
気忙しいので、私は太極拳の練習を休んだ。
今の部屋の温度は28℃、風が時折強く吹くが生温かく、空はカンカン照り。