「できそこないの男たち」福岡伸一著

福岡伸一分子生物学者だ。1959年生まれなので今年63歳だが、2008年49歳の時に光文社新書からこの本の初版を出している。

面白かったのは「お世継ぎ」の価値チンギスハーンの痕跡の項目だ。

いたかどうかも定かでない神武天皇Y染色体を保持しようとすることが、万難を排して守り通されるべき最も稀少で大切なものであるとする文化的価値まで担保することにはならないということ。

もう一つは1000年ほど前にモンゴル帝国は絶頂期を迎え、チンギスハーンのY染色体は数えきれないほど蒔かれた。このY染色体が出現した時期とその分布がモンゴル帝国の勃興と領土とにぴたりと一致し、帝国の境界線を越えた地域ではほとんど見つからないことは、これがまぎれもなくハーンのY染色体であることを示唆する。

 

かつて、アフリカを出発し、アジアを横断し、あるときはチンジスハーンとその夥しい数の末裔となって各所へ散り、またある時は日本列島に集まり、さらにはるか遠くベーリング海峡を越えていった男たちがなした最大の偉業。それはモンゴル帝国の完成でもなければ、万世一系の皇統維持でもない。母の遺伝子を別の娘のもとに運び、混ぜ合わせることだったのだ。

 

 

※ 石油ストーブ2個を空焼きし、やっと片付けた。

 

※ 昨年暮れに買ったマイクロファイバーのかけ布団1枚を風呂桶で踏んで洗った。子供が帰省の折りに使うだけなので汚れていないが、そのまま仕舞うのもなんだかなので、湯で洗うだけでもいいかと思った。

 

※ 今卯の花がきれいだ。これは切花にすると水をあげず枯れてしまうので地植えを楽しむのみ。

 

※ 長尾のNさんから電話あり。私の体調を気遣うものだった。