中島京子著「長いお別れ」
※ 中島京子の父中島昭和(1927〜2013)は晩年の10年間アルツハイマーを患っていた。
これはその闘病を下敷きに描いた小説だ。
昭和はフランス文学者で中央大学名誉教授を勤め、短歌にも親しんだ。
75歳を過ぎる頃から発症したが、ティッシュペーパーを丸めて両頬に押し込み、ほっぺたを膨らませる様子など切ない。
この作品も先日読んだ「ぼけますからよろしくお願いしますーおかえりお母さんー」と同様、認知症の進行自体が長いお別れなんだとわかる。
※ 明日は娘が草刈り作業に帰省する。
自分が着て帰る服装を写真で送ってきて、空港へ迎えに行くお父さんに見せて!とあった。
いいアイディアだ。メールもできないので、家族はそれなりに対応を工夫する必要がある。