Things to lose in convenient life

車を買うと保険が必要なように、ネットを利用するとパソコンのセキュリティソフトが必要になる。
便利な生活をしようとすると、それに付随して必要なものが増え、そのためにさらなる労働に追い立てられることになる。

ちょっと前まで、ゴミ箱に捨てるものに個人情報うんぬんを考えることはなかった。
今は住所と名前が入ったものはそのまま捨てられない。

新聞に4/20発売の新商品が載っていた。
郵便物のあて名、一押しで隠す---というキャッチフレーズで、コクヨS&Tから個人情報保護用スタンプ「かくしタローフラット」¥892也。
買おうと思っている。
個人情報部分をのけて、裁断するのは手間がかかる。
この商品はインク内蔵で、1000回捺印できるそうだが、一回一円くらいの割だから高いようにも思う。

こういう時代だから、黒澤のデルス・ウザーラや鍵をかけないでもドロボーにはいられない島などに惹かれる。
人間はアナログだ。気持ちをサッと切り替えたり、わかっていても合理的に行動できないことがあり、デジタルで一挙に消去したりなかなかできない。ウジウジと思い悩んだりするものだ。


わたしも2万円の定額給付金を受け取るのに、3万円の手数料を払うことに疑問を持たなくなる時がくるだろう。
老人にはそうでなくても住みにくいデジタル社会なのに、老人を食い物にして生きていく人たちは増えていく。