The unread newspapers piled up

留守中溜まっていた新聞をポツポツ読んでいた。

毎日曜掲載の亀山郁夫さんのコラムに、ロシアへの出入国のイミグレーションでの恐怖が書かれてあった。
彼は1984.8ウリヤノフスクにおいて、スパイ嫌疑で長時間の尋問を受けている。

「他人に疑いをもたれることの恐ろしさとは、人間がその疑いに自分から進んで同意しようとする不可解な衝動にある、いったんスパイの嫌疑をかけられた人間は、嫌疑それ自体によって逆に自分がスパイではないかとの自己暗示に陥っていく」と書かれたくだりがあった。

これはわかる。
ゆえに、再審請求で無罪となった人たちの奇跡に近い精神力を思う。

彼は尋問から25年経った今も、イミグレーションでは「身に覚えのない罪の意識に凍りつく」と結んでいる。