「ノーマ・フィールドは語る」(岩波ブックレット)

☆ ノーマ・フィールドは1947生まれ。
彼女の「天皇の逝く国で」を読んで、1997.3.娘と二男と共に初めて沖縄を訪れた。
タクシーを2日間チャーターして、本に出てくる箇所を巡った。
この本の日本語版は1994に出ている。
 
彼女の母方の祖父は、戦前からヨーロッパとハリウッドの映画スターのブロマイドを製造する仕事をしていた。
父は進駐軍として日本に来たアメリカ人(スコットランド系移民の子)だが、驚いたことにお母さんの周囲が結婚を勧めたとある。
進駐軍の一員や軍属と結婚した日本人女性は数多くいただろうが、周囲に勧められた事例をわたしはほとんど知らないゆえに、偏見を持っている。
ノーマが7歳の時に父母は離婚して父はアメリカへ帰る。
ノーマの母は3姉妹の長女だが、祖母が脳溢血で倒れてから、姉妹たちは対立するようになる。引用すると、『中心(祖母)がなくなることによって、姉妹それぞれが置かれた社会的位置の経済的、精神的緊張感が一気に露呈してしまった感があります。姉妹ですから、幼児期に遡る感情のもつれもあるでしょう。子どもの頃かわいがってもらって、私の人格形成に大きく関わった叔母たちとの関係が切れてしまったことは残念とかいいようがありません。』
倒れてからの祖母は自制のタガが外れた時期が2~3年あったという。
 
亡くなった私の母や母の姉妹たち、そして私の姉たちと重なる部分もある。
 
本には若いころの祖母の写真が載っている。
実に美人だが、ノーマは祖母がその美しさを保つことが祖母にとっての精神的な贅沢だったのではないか、と述べている。
 
ノーマは近々日本のプロレタリア文学(小林多喜二中野重治村山知義など)のアンソロジーを出版する予定だという。
井上ひさしの最後の仕事とも重なり興味深い。
 
とりあえずはまだ読んでいないノーマの「へんな子じゃないもん」を読んでみよう。
 
 
☆ 昨日のウォーキングのとき、本降りの雨のなかをランニングしている男性に出会った。
わたしのウォーキングの経験からして、雨と寒さは一番体調を崩しやすい。
傘をさせないランニングは雨の中はお勧めしない。