「発明マニア」 米原万里著 毎日新聞社

★ 2週間程前、志度図書館へ地図のコピーに行った折、久しぶりに訪れたので、上記の本を借りてきた。
500ページもある分厚いもので、サンデー毎日2003.11.16.号から2006.5.21.号に連載されたもの全てがまとめられている。
彼女は2006.5.25、56歳を迎えて間無しに、卵巣癌で亡くなった。
 
全編、彼女の奇想天外なユーモアであふれた発明が、119編収められている。
おまけに、ARAIYAYO /新井八代/ あら、いやよ!(?) なる名前で彼女自身が描いたイラストが入っている。
これがなかなか味わいがあり、おもしろい。
 
最後の編は 「国際化時代に最も不向きな対立回避症克服法」 なるテーマで、「・・・南京大虐殺は無かったと主張する政治家は、南京市の虐殺記念館で、靖国参拝に反対するのは内政干渉だと主張する政治家には、韓国や中国の反日デモ隊の人たちをそのように説得してみて欲しい。」 との言葉で終わっている。
こう書いた数日後には意識が混濁していただろうし、その少し前は激しい痛みと苦痛に耐えていたはずだ。
 
もうひとつ25編目の「国家機密の隠し方」の中で。
イラクで人質となり、解放直後の高遠さんがアルジャジーラのインタビューに答えた「ボランティア活動は続けます。・・・イラク人のことを嫌いになれないんです」と泣きじゃくりながら述べたことに対し、小泉前首相がキレた発言・態度をとった理由。
インタビュー場面には、人質解放に決定的役割を果たしたイラク・聖職者協会のクバイシ師が同席していて、日本政府の対応について、 「われわれの方が日本政府よりも人質のことを考えていたみたいですね。日本政府からは何の接触もありませんでした。そうそう、解放が遅れた理由の一つに、小泉首相が犯行グループをテロリスト呼ばわりしたことがあります。われわれが解放に全力を尽くしたのは、日本政府のためではなく、政府の自衛隊派兵に反対している日本国民のためです」 と本当のことを言ってしまったためではないかと分析している。
 
「・・・略・・・巷には日本政府が膨大な保釈金を払ったという『国家機密』がまことしやかに流れているが、今回に限って、それは嘘っぱちだ。最大最高の国家機密は、日本政府は何もできなかったし、何もしなかった、ということ。選挙を目前に控えたこの時期、必死で『自己責任』なる詭弁を弄して人質たたきをやっているのは、この恥ずべき事実が暴かれるのを恐れてのことに他なるまい。(2004・5・9/16)」
 
 
★ 古い電柱が撤去された。↓
 
イメージ 1 見下ろされながら居間にいるのも落ち着かないので、撤去作業を見ていた。
気付いたことがいくつかある。
まず、電柱は下部1.2~1.5mほどを地中に埋めているだけで、柱の底は固定されていない。
円柱が下にいくほど太くなっているのを利用して、ワイヤーを一か所電柱に回し、クレーンで揺すってから上に引き抜く。
古い電柱の中は空洞で、外はセメントのように見えたが、抜いた後半分の長さにハンマーで割って、運搬用トラックに積み込んだ。
全行程は30分もかからなかったと思う。
 
こういう作業も見ているとおもしろい。