松下竜一著「ありふれた老い」「5000匹のホタル」

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★ 「ありふれた老い」は松下自身の父の老いと死を描いたもので、義母の病と死を描いた「母よ生きるべし」同様いい作品だった。
 
「5000匹のホタル」は聾学校が舞台だが、こちらは感心しない作品だった。
主人公の聾学校の新任女教師が、継母を持ち心を開こうとしない担任生徒に対し、自分も同じ境遇だと嘘をついて、心を開かせようとする。
一気に薄っぺらな作品になり、興味が失せた。
あとがきに新藤兼人が映画化の構想があったと書かれていたが、信じられないほどだ。
全集から6作品を読み進めてきたが、これが今のところワーストワンとなった。