ドイツの青年との会話

★ スペイン巡礼の行き帰りはアムステルダム経由だった。
 
乗り継いだ関空への帰りの便で、隣に礼儀正しい青年が座った。
長時間の飛行に脚腰がだるくてゴソゴソ動く私に対して、彼はきちんと座ったままほとんど姿勢を崩さなかった。
あいさつ程度の会話をしていたが、アテンダントに入国書類の請求をするとき、初めて日本人でないことを知った。
アテンダントと話すときは流ちょうな英語だが、最近は流ちょうな外国語を話す日本人は珍しくない。 私と話すときはもちろん日本語で上手に話すので、日本人だとばかり思っていた。
尋ねてみると、お父さんが日本人だがずっとドイツで暮らしており、20歳までは日本語を全く知らなかったという。 父の国のことばを知らなくてはと、2年間勉強してマスターしたそうだ。
京都にお父さんが借りているアパートがあるので、たまに管理上来日し掃除をするのだという。
今回も2年ぶりの日本とのこと。
朝食が出始めた頃から、日本の原発問題やTPP、ドイツの現状など会話がはずんだ。
ドイツでは反原発運動が当然のこととしてあるが、日本では全くそうでないなど日本社会についてもよく知っていた。
 
機内食が私たちと違っており、ベジタリアン風だったが、まずその礼儀正しいたたずまいにこちらが反省させられた。