池澤夏樹著「春を恨んだりはしない」中央公論新社

★ 副題に――震災をめぐって考えたこと――とある。
 
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東日本大震災をどこで知り、その後彼はどのようにそれと向きあい、対応してきたかを記録したルポルタージュだ。
当日、東京の職場から横浜の自宅まで28kmを歩いて帰宅した友人からの聞き取りも詳しく書かれている。 その友人は電話やメールが通じず、SNSで自分の状況を知らせることができたとあり、SNSに関心がなかった私も認識を新たにした。
 
池澤のエネルギーや原発に対する考えもしっかり述べられている。
♪花は咲く~~♪を何万回聞かされても欺瞞と不快感が募るばかりだが、この本にはそれらがない。 
 
アメリカの詩人ゲイリー・スナイダーの言葉が引用されており――限りなく成長する経済は健康にはほど遠い。それは癌と同じことだから――が印象に残った。
 
 
★ スマホの課金なしの漢和辞典のアプリがいいのがなく、漢字を調べるときは壊れかけた電子辞書を使っている。