呉美保監督「きみはいい子」

★ 呉美保(オミポ)監督「きみはいい子」を見に岡山へ行った。
残念ながら香川では公開されてない。 公式サイトは↓

子どもへの虐待、認知症が始まった一人暮らしの高齢者、自閉症の子供、仕事をしない父親と暮らす子供など、今日的ないくつかの事例が並行して描かれる。
子役の演技が素晴らしく、特に自閉症を演じた子、父親に虐待される子を演じた少年など、とても自然に見えた。

子どもの頃虐待を受けた二人の母親が出てくる。
一人は手首に(A)、もう一人はおでこに(B)たばこの火を押し付けられた傷痕が残っている。
母親Bは自分が受けた虐待を子供にするのでなく、おおらかに育児しているが、母親Aは子供を虐待してしまう。
AとBは同じマンションの階に暮らしているが、日頃の付き合いからBはAが自分と同様の虐待を受けて育ったことを見抜き、自分の経験を告白し、Aを抱きしめることでわかりあおうとする。

わたしが一番切なく思ったのは、父親に5時前には家に帰るなと言われ、汚れた服を着て、食事も満足に食べさせてもらえない男の子。 その子は自分が悪い子だから家にはサンタクロースが来ないのだと言う。
映画は、夕方5時が来て、その子の家をクラス担任がノックするところで終わる。
上手いラストだ。