映画「日本と原発」

★ タイトルの映画は、1944年旧満州生まれの弁護士河合弘之が監督した作品だ。

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中央が映画のパンフレットで、今香川県内各地で自主上映されている。
左が上映会場で販売されていた『脱原子力政策大綱』(宝島社)、右が河合弘之著『原発訴訟が社会を変える』(集英社新書)。


上記サイトが映画のページだ。
2時間半の作品だが、長さを全く感じさせない。
中曽根康弘正力松太郎らの日本への原発導入から始まる原発史。
福島では、広島に投下された原爆の187基発分セシウム137がまき散らされたこと。
福島第一原発1号機は津波の前に地震電源喪失していたこと。
原子力規制委員会とは再稼働させるための機関であること。
原子力は2006年をピークに世界で減り始めていること。
などなどが、データと共に示されてゆく。
まさに、原発の不合理を解き明かす作品になっている。

浪江町では、地震発生日の翌早朝放射能汚染による避難地域に指定されたため、助けを求める人々を放置したまま消防隊員たちは救助を断念せざるを得なかった。
1ヶ月後に再開された捜索では浪江町沿岸で、180人を超える遺体が発見された。
映像の中で消防隊員がその状況を語る。


★ 今朝の日経新聞に、85歳で亡くなった野坂昭如への追悼文を93歳の瀬戸内寂聴が書いている。
その中で、野坂が昨年出版したエッセイ「シャボン玉 日本」が紹介されている。
このエッセイで――今の日本は戦前の空気そのままに帰ってゆく気がすると、政治の不安さを強く弾劾している―― そして、私も早く呼んで下さい。私も何やらこの日本はうすら寒い気がしてなりません。 と寂聴さんは結んでいる。
93歳の老人にこんなことを言わせる日本の状況を変えるために私にできることは、先の映画作品を見て、このブログを書くことしかできないのだが。