日輪の翼(やなぎみわ演出)高松公演

★ 内容はもちろん舞台になるトレーラーも一切撮影禁止だったので、パンフレットの写真から。

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中上健次の作品を全く読んだことがないが、強烈な写真で知られるやなぎみわ演出に興味があり、友人と出かけた。
怪しい空模様で、傘と合羽も準備していく。

まずはパンフレットのあらすじから
――住み慣れた熊野の〈路地〉から立ち退きを迫られた七人の老婆たちは、同じ〈路地〉出身の若者らが運転する冷凍トレーラーに乗って流浪の旅に出かけた。 伊勢、一宮、諏訪、瀬田、恐山、そして皇居へと至る道中で、神々との出会いに至福を分かち合う老婆と、女漁りに奔走し性の饗宴を繰り広げる若者たちの、珍妙無比な遍路行。 滑稽と悲哀、解放と喪失、信仰とエロティシズム・・・・。 〈路地〉の先に広がる遥遠なる旅に、人間の原初の輝きを描いた中上健次の痛快傑作。 本公演では、『日輪の翼』をベースに、『紀伊物語』の「聖餐」、『千年の愉楽』等からも〈路地〉の物語を盛り込み、一つの作品を作り上げていきます。――

トレーラー舞台の中央にポールがある。これは天と地をつなぐもので、男女のポールダンサーが妖艶なパフォーマンスを繰り広げる。
また、クレーン車からつりさげられた紐でサーカスパフォーマンスが演じられる。
タップダンスもあり、これらは原作にはないやなぎみわの演出だ。

こうして移動を続けるロードノベルが2時間半演じられてゆく。
やなぎは書いている。 人間が古から行ってきた芸能とは、祝祭とは、異なる者たちの命が呼びかけ合って歌う「歌垣」のことである、と。
歌垣とはフリーセックスのことである。 
初めて見た野外演劇だったが、官能にあふれエネルギッシュで楽しめた。