映画「希望のかなた」於ソレイユ2

※ 監督・脚本…アキ・カウリスマキ
 主演…シリア人俳優シェルワン・ハジ

戦下のシリアで家族を失い、主人公の青年カーリドは妹と2人故国から脱出するが、混乱のなか妹とはぐれ1人貨物船に紛れ込みフィンランドに流れ着いた。
この地で難民申請するが受け入れられず返還されることになる。
拘留場所からやっとの事で脱出し、親切なレストランオーナーに出会い、身分証を偽造してもらうことができた。
仲間のシリア人ネットワークや親切なフィンランド人のお陰で妹とも再開することができた。
しかし、偏狭な民族主義者ネオナチに襲われ、何度か殺されそうにもなる。

主演のシェルワン・ハジは1985年生まれ、次男と同い年だ。
とても端正な顔立ちの青年で、一度見たら忘れられない俳優だ。

白い犬が登場するが、カウリスマキ監督の愛犬だそうで、結構重要な役割をしている。
ヘルシンキの日常の細かいことにも驚くことがあった。
レストランでビールとつまみを注文すると、出てきたのはアンチョビとじゃがいもで、アンチョビは缶詰に入ったままの状態だ。
日本の60年代のジュークボックスやレジスターなども出てくる。
ヘルシンキの現在は、このような点に関しては日本の60年前と同じだ。

何よりもシリア難民がフィンランドにいるということも知らなかった。
映画はネオナチに腹を刺されたカーリドが、海辺の木に寄りかかり、職場のレストランで飼っている犬に癒されている場面で終わる。


98分の作品だが、上映前に手洗いに行ったのに、途中でまた行きたくなり、終わりを待ちかねてまた行った。冷えたのだろうが、全く困ったことだ。