映画「ラブレス」ソレイユBF

アンドレイ・ズビャギンツエフ監督(1964年ノヴォシビルスク生まれ)によるロシア映画

両親の離婚によって、邪魔者扱いされる12歳の少年が、行方不明になるという内容。

夫も妻も新しい恋人がいて、息子を互いに押し付け合う。
夫の両親はすでになく、妻の母親の元に息子がいなくなったことで探しに行くが、この祖母は激しく娘を罵る。この母娘の様子から不幸な親子関係であったことが想像できる。

警察からは実のある助言は得られなかったが、唯一「リーザ・アラート」という行方不明者を捜索するボランティア団体の存在を教えてもらう。
このボランティア団体の捜索場面がかなり丁寧に描かれている。
自分勝手な大人たちの中で、この捜索隊の様子は救いだ。

結局、少年は見つからなかった。
数年後、それぞれのパートナーと暮らす二人だが、決して幸せそうには見えない。

監督の言葉が載っていた。
ーー人間とは惰性に基づいて動いていること。大抵の人は変化に対する準備ができていないということ。そして、幸せは遠い地平線にあると思いがちだけれど実際にはそうではないということ。幸せになるか不幸になるかは自分次第なんです。ーー

日本においても児童虐待の末に親が子供を殺す事件が後を絶たない。

また、ーーSNSにしか興味がなく、泣いている目の前の子供に気づかず、手元のスマートフォンしか見えない親子がどれほど多くいるでしょうかーーというコメントも世界に共通しているのかもしれない。



※ 夫が70歳の誕生日を迎えたので、夕食は志度「以志や」へ。
いつものミニ会席を頼んだが、二人とも食べきれなくなり、老化を実感。
「古来稀なり」の言葉通り、70歳を迎えられたことは感謝したい。
いくら平均寿命は伸びていると言っても、いろいろガタがきていることは本人が一番知っているだろう。