「情報隠蔽国家」青木理著 河出書房新社

※ この本を図書館に依頼してから届くまでに4ヶ月かかった。
三豊市の図書館から借りたものだ。

著者の青木理氏は、2012年7月七芸で観た「死刑弁護人」の際のトークショーで知った。
その時のことは本ブログ2012.7.30付にあるので、興味がある人は見て欲しい。

読後強く思ったのは、先月執行された13名の死刑は日本の警察組織を守るためではなかったのかということ。
オーム事件を白日のもとに晒すことは、日本の警察組織を包む闇をも明らかにせざるを得ないことであり、国家権力は何としても闇のまま葬りたかったのではないかということ。

本書に、18cイタリアの思想家ベッカリーアの著書「犯罪と刑罰」が紹介されている。それには
ーー人殺しを罰する総意の表現にほかならない法律が、公然と殺人を命令する。なんとばかげていはしないか。ーーとある。

終章に保阪正康との対談があり、保坂は以下のように述べている。
ーー森友・加計問題、南スーダンPKO日報、天皇の退位をめぐる皇室会議議事録などの国家の記録を残さない安倍政権に対し、「歴史への誠実さの欠如です。僕自身は、今上天皇は国民に重要な問題提起をしていると思うけれど、天皇制については様々な議論がある。それを含めて記録を残すのは、歴史的責任にかんするイロハのイです。なのに、後世の人びとが知りたいと思った時に歴史的資料がない。これは後世の人びとを馬鹿にし、同時代のわれわれを愚弄することになります。それに対する自省や反省がこれっぽっちもない。」
前川喜平氏の覚悟は並大抵のものではなかったでしょう。政権やその意向を忖度する連中が必死に潰そうとしたし、これからも潰そうとするかもしれませんが、彼は官僚制の悪弊を打ち破り、"あるものはあるのだ"と声をあげてくれた。その市民感覚を私たちは有形無形に支援できるかどうかということです。前川氏のような人をたくさん生み出すために、生み出す状況をつくっていかなくてはならない。」

ワシントン・ポスト紙には2017年2月から以下のスローガンが掲げられているという。
〈Democracy Dies in Darkness〉…民主主義は暗闇の中で死ぬ

米国第4代大統領ジェームズ・マディソンの言葉もあった。
「人民が情報を持たず、あるいは情報獲得の手段を与えられていない人民の政府は、喜劇、もしくは悲劇への序章のどちらかである。知識は常に無知を支配する。自分たち自身が統治者であろうと欲する国民は、知識が与える力で自らを武装しなければならない」



※ 最近は頂き物のバジルペーストをトーストにのせて食べるのがおいしく、気に入っている。
自分で作ったあんずジャムが残っているが、それはおいてこればかり食べている。
作り方は知らないが、ナッツ類も入っているようで、なんといってもバジルの野の香りがたまらない。