「太陽を曳く馬」(高村薫著・新潮社)

☆ ずっと気になっていた本で、歩き旅が終わったら読もうと思っていた。
10日間かけて読み終わった。
 
てんかんの持病を持つ若い修行僧の死と、金槌で二人の男女を殴り殺した若い絵かきの事件を中心に、現代社会を考察する小説だ。
オウム真理教の一連の事件、それより少し前の甲山事件、9.11事件などが扱われている。
 
ヨーガやオウムの世界の専門用語はチンプンカンプンで閉口したが、著者が80年代からこれまでに起きた大事件とどう向き合い、かつ絶望しているかが伝わってくる。
 
著者はわたしと同世代。「レディ・ジョーカー」以来しっかり読ませてもらった。