「遠い山なみの光」 カズオ・イシグロ著 小野寺健訳

★ 図書館が改修のためしばらく休館だったが、やっと借りられた。
 
イメージ 1 朝鮮戦争の頃、妊娠中のわたし(悦子)は長崎で、幼い娘(万里子)を連れた戦争未亡人の佐知子と出会う。
佐知子にはフランクというアメリカ人の愛人がいた。
 
万里子は5歳のとき、米軍占領下自分の赤ん坊を水死させる女性を目撃し、トラウマをもつ。
その後万里子が大切にしていた飼い猫を、飼えなくなった母佐知子が水死させる現場もみる。
 
悦子の目の前で、万里子は蜘蛛を口に入れようとしたり精神の歪みをみせる。
 
結局佐知子は万里子を連れ、フランクとの生活を始めようとするが、うまくいかないことは目に見えている。
 
数十年が経ち、悦子は長女景子を連れイギリスに渡り、再婚しシェリンガム夫人となり、新しい夫との間に次女ニキがいる。
最初の夫が亡くなったのか離婚したのか、印象にない。
 
景子は自死している。