『婉という女』 今井正監督 1971制作

★ 高知出身の大原富枝(1912~2000)が、1960年に出した小説が原作になっている。
土佐藩執政として多くの功績を残した野中兼山(1615~1664)が失脚し、政敵により兼山の一族は宿毛に幽閉される。
兼山の娘『婉』はそのとき3歳で、幽閉生活はそれから40年に及ぶ。
その間病死・狂死で、男兄弟たちはみな果てる。
映画のメインは、ほとんど一生といってもよい幽閉生活から生じる近親相姦などの悲劇が描かれる。
 
この着想は大原富枝自身が、若い頃10年に渡る結核療養生活を送ったことから得たもののようだ。
 
出演は、婉役に岩下志麻、兄に緒方拳、狂死する兄に河原崎長一郎、母は北林谷栄、下男に北大路欣也など。
 
ベースには史実があるわけだが、宿毛にも大原富枝文学館のある本山町にも興味が湧く。
 
 
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