『子育てごっこ』 今井正監督 1979

★ 今回見た今井正特集6本のなかで、原作を読んでいる唯一の作品。
文芸春秋初刊は1976年だが、我が家にあるのは1979.12.25文春文庫第一刷、定価260円のもの。
1976年に直木賞を取り、79年映画化もされ、文庫版も出て話題になっていた頃読んだのだろう。
 
岩手県の小さな分校に、教師として暮らす子どものいない夫婦。
ある日公教育を受けたことのない11歳の女の子が、祖父(実際は父)に連れられて来る。
まるで野生児で、基本的な生活態度が身についていない。
いろいろな経過を経て、夫婦はこの子を養女にする決心を固めるまでが描かれている。
 
すさまじくお互いに言いたいことを言って、夫婦喧嘩をする。
こんなことを言われたら、夫は立ち直れないだろうと思われることも妻は言う。
一方、夫は妻を殴ったりもする。
そのあと、すぐ仲直りしたりするところが、リアリティーがないと言えばそのとおりだ。
ちょっとあり得ないだろうと思われる夫婦。
 
原作者三好京三の経験を基にした作品だが、実際の生活が映画から想像される通りにいかなかったこともその後の実生活が示している。
 
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