Wedding anniversary

★ きょうは34回目の結婚記念日だ。
といっても、いまだかつてお祝いなるものをしたことがない。 夫は29歳、私は25歳だった。 お金がなかったので結婚式も記念写真もない。
1978年4月1日は土曜日だった。
役所へ一人で婚姻届を出しに行くと、印鑑が4種類必要と言われた。
20歳を過ぎた大人が両人の合意のもとに結婚するのに、なぜ後見人の意味合いの人物の印鑑が必要なのか、わからないが、今でもそうなのだろうか?
 
半日開庁のその日のうちに再度出直すのも面倒なので、役所の届けは4月3日(月)となった。
エイプリル・フールに結婚したというと、冗談めいている感じで、この日を選んだ理由の一つだった。
 
1976年秋、東讃地方は大きな台風の襲来で、被害が甚大だった。
当時小豆島の同じ職場にいた夫と私は、連日後片付けに追われていたが、そのとき泥まみれになり一輪車を押している今の夫をみて、『この人は信頼できる人かもしれない』と感じた。
それから一年半経って、結婚となった。
 
今では当時の気持はみじんもなく、面倒くさい人だなあという始末。
たいていの夫婦はこんなものだろう。
老いて仲のよい夫婦はむしろ稀なのだと、周囲を見ていても感じている。
 
 
★ 昨日の風雨と打って変わり、今日は晴天だが、午後から太極拳があるので、山歩きはお休み。
 
先日、陳氏太極拳の陳沛山という人が書いた本を読んでいると、 『一連の動作の中で、体中のすべてが常に動いていることを感じるようになると、短い時間の中にさらに短い時間が織り込まれていることに気がつき、その膨大な情報量を確認しながら、体を動かすようになります。そうするとゆっくりした動きをせざるを得なくなる。』 との表現があった。
これは 『能』 にも通じることではないだろうか。 日本の中世から近世にかけての『能』と、中国の明から清にかけての太極拳は時代的にも重なっており、東洋哲学としての同時代の共通点もあるのだろう。