Amnesty Film Festival

★ 今回のアムネスティ映画祭で最もズシンときたのは、「SAYAMA みえない手錠をはずすまで」という狭山事件の被告として、50年以上生きてきた石川一雄さんの生活を追った作品。
逮捕当時はたどたどしいひらがなしか書けなかった石川さんが、今ではとても達筆でしっかりした文章を綴る。
石川さんのお兄さんの奥さん(義姉)の人となりも忘れられない。

次に感動したのは「ブライアンと仲間たち パーラメント・スクエアSW1」で、イギリスの国会議事堂前で10年間野宿しながら平和を訴えるブライアン・ホウの日々を1年半追った作品。
過酷な生活が長年続いたためだろう、彼は撮影の2年後に亡くなる。
監督の早川由美子さんにも関心を持った。郵便局の窓口業務の経験もあるとのことだったが、辞めて映像制作に取り組んでくれたことに感謝する。

中国の著名な芸術家を描いた「アイ・ウェイウェイは謝らない」も忘れられない。
四川大地震で亡くなった5千人を超える子供たちの氏名を調べ上げ、亡くなった子供たちと同じ数のランドセルを壁に吊るし哀悼する。
1億個の陶器製ヒマワリの種を敷き詰めた作品も驚いた。 百万も千万も一億もどれくらい違うのか実感できないが、この作品は一億を実感できる。
中国政府の監視が強まり、警察の暴力や軟禁も受ける。

他の5作品も素晴らしかったが、重い作品を8本も見たので、まだ頭が整理できていない。