「アクト・オブ・キリング」&「ルック・オブ・サイレンス」

★ 元町映画館でタイトル名の作品2本が、29・30の両日のみ上映され、今日は予定が入っていたので、昨日大阪の次男を誘って見に行った。

前半の「アクト…」は121分のつもりだったが、全長版だったようで、終わったのが1時10分前で、トイレに行ってロビーに出たらすでに1時からの午後の部呼び出しが始まっており、順番が最初だったのでまたすぐに中に入った。
昼食用に買っておいたおにぎりとサンドイッチを、音を立てないように気をつけながら胃に流し込んだ。 暗いし、味もよくわからなかった。

映画を見た後私なりにタイトルを訳すと、「殺人を演じるということ」&「沈黙を探る」ということになろうか。
スカルノからスハルトに移る頃、インドネシアでこれほどの大量虐殺があったことを知らなかった。
1965年といえば北爆が始まり、反共をスローガンにベトナムでもインドネシアでも暴力が溢れていたということだ。

チンピラややくざはどこの国においても権力者や金持ちと持ちつ持たれつの関係にあるようで、インドネシアでは露骨にそれらが横行し、日本では彼らの働きが隠れていて見えにくいが、時の権力者に都合の悪い人物が殺され、チンピラかやくざが犯人として捕まるが、本当の犯人は権力の座にという構図がある。(Ex. 石井紘基氏刺殺事件など)

2本を見終わった後、二つの映画を思い出していた。
「延安の娘」と「ハンナ・アーレント」だ。
「延安…」では文革時代の下放政策で、ある青年にむごい仕打ちを課した男に当時の話をするために会いに行くが、その男は老いて孫(子だったかも)には障害があった。 その様子を見てとうとう本題を切り出せずに帰ってくるシーンがあった。
「ハンナ…」ではやはり、「あなたもアイヒマンではないのですか?」という問いかけだ。
「ルック・オブ…」ではこれらの作品が頭をよぎった。


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元町映画館の2f待合室。 壁面は全て映画のパンフレットで埋まっている。
今年の夏で5周年の映画館だそうで、席数も66と程よい快適さだった。 大切にしたい映画館だ。
三ノ宮で次男と別れ帰路に就いた。