「永遠の仔」 天童荒太著 幻冬舎文庫


★ 昨年12月に購入していたが、やっと読了した。

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父親が自分の娘を犯し性的虐待を繰り返す。
男遊びに溺れた母親が息子を虐待する。
母親が火のついた煙草を押し付け、息子に無数の火傷跡を残す。
このような傷を負った3人の子どもたちが、愛媛県の児童精神病棟で1979年に出会う。
娘を犯し続けた父親が、病院主催の家族登山で滑落死する。
果たしてこの父親の背中を押したのは誰なのか。

18年後の1997年、30歳近くになったかつての子どもたちは看護師、刑事、弁護士となっており偶然に再会する。
この1979年と1997年が交互に描かれ、物語が進行していく。

萩尾望都の「残酷な神が支配する」も同様のテーマだった。
これが決して特異なテーマでなく、提起され続けている闇の深さに慄然とする。