官房機密費

※ 今月19日、官房機密費の開示を求めた最高裁判決(山本庸幸裁判長)が出た。
開示が認められたのは、「出納管理簿」と「政策推進費受払簿」。
前者は月毎の機密費の支払額や残額をまとめたもので、後者は機密費全体から官房長官自らが管理して使う費用に資金を移したことがわかる記録。
一方、支払先が明記されている文書や領収書は開示が認められない。

全くのブラックボックスから薄明かりが見えたことは前進だろうが、使途が隠されている点ではまだまだ暗すぎる。
民主主義の実践には情報公開が欠かせない点で、提訴した(上脇博之神戸学院大教授、阪口徳雄弁護団長)人たちには、不断の努力に頭が下がる。

この判決により、それぞれ官房長官時代の安倍晋三(05~06年)が支出した11億円、河村建夫(09年)が支出した2.5億円、菅義偉(13年)が支出した13.6億円についての出納管理簿と政策推進費受払簿については開示されるはずだ。

魚住昭氏によると、官房機密費は年間約14億円でそのうち2億円は内閣情報調査室へ流れ、残り12億円と外務省からの外交機密費の一部20億円が加わり、官房機密費総額は年間30億円を超える。

野中広務氏ら過去の官房長官経験者の証言から、支出は盆暮れの挨拶金、新築祝金、マスコミ関係者への紐付金、などなどが明らかになっている。

この判決が出た時、特別会計ブラックボックスを明らかにしようとした当時民主党衆議院議員石井紘基氏の暗殺(2002年10月25日)を思った。
後に続く国会議員はまだいない。