「否定と肯定」監督:ミック・ジャクソン

※ 21日(水)ソレイユ2にて鑑賞。
2016年イギリス・アメリカ制作 原題:DENIAL

彼女は自著「ホロコーストの真実」で、イギリスの歴史家デイヴィッド・アーヴィングが訴える大量虐殺はなかったとする“ホロコースト否定論”の主張を看過できず、真っ向から否定していた。
アーヴィングはその講演に乗り込み、彼女を攻め立て、名誉毀損で提訴という行動に出る。
英国の司法制度は訴えられた側に立証責任がある。
彼女のために大弁護団が組織され、アウシュビッツの現地調査にも出かけ、2000年1月王立裁判所で裁判が始まった。

歴史上、争いのないと思われる真実であっても、時として否定論者は現れることがある。
南京虐殺しかり、戦時性暴力しかり、…。

捻じ曲げられた理論であっっても、それを声高に主張すれば世間に認められる風潮、事実を軽視する社会、受け入れがたい事実よりも個人の信念に合う虚偽が選択される状況。これらはポスト・トウルースフェイク・ニュースアグノトロジーなどと言われる。
現代の風潮がそうで、この作品はその意味でとても今日的な意味がある。