映画「おみおくり」ソレイユ2

※ 葬儀社の仕事の一つである女性納棺師を描いた作品。

監督は伊藤秀裕、1948年生まれ、全く知らなかった監督だ。
この年齢になるとこういうテーマが身近になってくることは理解できる。

7人の納棺をオムニバスに描いている。
死者の顔の修復や死化粧が中心だが、高島礼子演じる女性納棺師とその仕事に憧れ弟子入りする納棺師に文音(あやね)という女優さん、この人が長渕剛の娘と知り驚く。

興味があったのは「葬儀社」なので、ストーリー自体はつまらないといえばつまらない。

高島礼子は一人旅で電車に乗った時、一人のカメラマンが斜め前の席に座る。
そのカメラマンが、自分がたまたま開いていた雑誌に載っている著名なカメラマンだったことに驚き、つい見つめてしまう。
それがきっかけで二人は恋人になるのだが、カメラマンには妻子がいた。
カメラマンは妻子と別れ、アラスカ(だったか?)に行くことを決意し、高島礼子に一緒に行って欲しいと航空券を送ってくる。
高島は行くことに決め空港に着くが、そこにはカメラマンの妻子がいた。
自宅に戻った高島は、彼が一人で旅立ちその後彼の地で消息を絶ったことを知る。
そして納棺師になると決意した。

こういうシチュエーションがやはり映画っぽくてちょっと…。

また文音には弟がいるが、子供の頃家族4人で乗った車の事故で、両親は亡くなるという過去があった。
その両親の死を姉弟ともに、受け入れられておらず、事故の悪夢に苦しめられていた。
故人のみおくりの現場に接することで、自分の心の闇から徐々に解き放たれていく。

人の死に触れる仕事を通して自らの心の傷を癒し、生きることへの希望を見出していく。

監督のこのような意図は成功しているといえる。



※ 一時激しい雨だった。
ちりめん山椒の保存食を作った。