※ 著者に興味があり、2冊目を読んでみた。
“第4章「
日本民族」とは誰のことか”の中に、【
ウルトラマンも、正体を隠しながら生きる「マイノリティ」】の項がある。
1966年夏から放映された『
ウルトラマン』の設定には、沖縄出身の金城ならではの思想や葛藤が反映されている。
宇宙人(特殊能力者)としての
ウルトラマンと、地球人=防衛隊員としてのふたつの
アイデンティティを抱えた主人公は、「本当はどちらなのか」とつねに悩む。
だから、71年放映開始の
仮面ライダーがおおむね人前でも平気で変身するのに対して、
ウルトラマンは自分の正体を隊員同士の間でも隠し、人目につかないところで、一人ひっそりと変身する。
佐藤健志(1966~ )の解釈は、なんの義理もないのになぜか地球を守ってくれる
ウルトラマンに、「沖縄をいたわって欲しい」という金城の日本への期待を読み取る。
そしてその願望が「
アメリカに日本を守ってほしい」という戦後の日本人の潜在意識と、構造的に同じだったと指摘する。
つづく