野見山暁治著「みんな忘れたー記憶のなかの人ー」平凡社

※ 23日~27日東京にいた。
東京でのことは後日書きたい。
疲れで頭も身体もまだぼんやり状態だが、図書館へ返却の迫っていた本だったので急いで読んだ。

野見山暁治の絵はさほど鑑賞したことがないが、文章は好きなので見つけるとのぞいてみる。
彼は1920年12月生まれなので、今年の誕生日で98歳になる。

この本には22人の人々との思い出が綴られているが、最後に父野見山佐一が取り上げられている。
佐一は筑豊炭鉱絵巻の山本作兵衛と同じ歳で1892年生まれ。
炭鉱長屋で質屋を始め、その後炭鉱経営者となり、石炭業会の代表としても活躍。
福岡の武家屋敷を買い取り、羽振りの良い生活を送った。
98歳で亡くなっているので、暁治も間も無く父の没年と同年を迎える。

22人の一人、井上長三郎(1906~1995、洋画家)の項に以下の文章がある。
ーー絵から受ける思いと、その人間の印象とが、えらく違うことは往々にしてある。そういうとき、ぼくは絵の方を信用する。絵は嘘をつけないと思っている。ーー
私は文章も同様だと思う。


※ 今夜は観たい映画があるので、今から少し昼寝をしておこう。