I君のこと

☆ 1970生まれの人たちの24年振りの同窓会に出席した。
たくさんの懐かしい人に会えた。
そのなかでもI君に会えたことがとてもうれしかった。
 
I君は隣のクラスの生徒だった。
家庭に恵まれず、自分の母ではない父親の女性が家にいた。
朝食を食べさせてもらえないことを聞き、わたしはときどき子供(当時は4歳と2歳)の小さなピンクの弁当箱にチャーハンを詰め込んで持参し、彼の朝ご飯とした。
彼は食べ終わった後、弁当箱を必ず水洗いして返した。
 
彼はある事件の後学校を去り、わたしも彼らが2年生を終えるとき職場を去った。
なにかの拍子に彼の事を思い出すことがあった。
 
今大阪で焼き鳥屋の仕事をしているという彼は、中学時代と変わってなかった。
この会に参加するためにやってきて、すぐにとんぼ返りをするのだという。
10年後にまた開かれる予定の同窓会での再会を約束した。
今度はもっとゆっくりと話したい。
50歳になったI君に会いたい。