An appearance of the television

今日の「○ぼ日」を読んで、テレビが出現したときを思い出した。

TV放送が始まったのはS28だが、私が初めて「テレビ」という言葉を聞いた記憶があるのは、S32~33頃だった。
母の妹である叔母の家が、テレビを買うだか買っただかを親類の人たちが話題にしているのを聞いた。
そのもののイメージも予備知識もない私は、テレビとはデコレーションケーキのような、とてもおいしいものなのだろうと想像したことを記憶している。
デコレーションケーキの実物もおそらく見たことはないのだが、何かとてもきれいでおいしそうなものというイメージが、大人たちの会話から想像できたのだろう。

少し後に母の姉である伯母の家も買った。
力道山のプロレスはこの伯母の家のテレビで見た。
祖母は60歳代で白内障のため視力を失ったが、このころはまだ見えていたのだろう、懸命に応援していた。

我が家は母子家庭のため貧しかったので、テレビを買ったのはS37頃で、松山容子主演「琴姫七変化」(大塚製薬提供)を楽しみに見ていた。高貴なお姫様がその身分を隠し、悪者に果敢に立ち向かい、必ず勝つのである。
当時は放送局はNHK・西日本・山陽の3つ。
リモコンの太いコードがテレビから延びていた。

S33といえば、もうひとつ思い出がある。
東京タワーが完成し、前述の祖母が団体旅行で見学に行き、タワーの写真を焼き付けた直径20cmほどのアルミ製のお盆をお土産に買ってきた。
それは長く我が家で愛用されていた。