『富の王国 ロスチャイルド』 池内紀著

☆ 題名にも惹かれたが、著者にも惹かれて読んでみた。
 
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著者はドイツ文学者で、彼の書いた山歩きのエッセイを以前読んだことがある。
表紙絵は しりあがり寿 さん。
私が読んでいると、夫は表紙だけ見て 「何の児童書を読んでいる?」 と聞いてきた。
 
戦争や革命など調べていると、必ず 『ロスチャイルド』 の名がでてくる。
つまり莫大なお金が動くときに出てくる名なのだ。
 
この本によると、ロスチャイルドはドイツ語のロート(赤い)シールト(標識・看板)⇒赤い楯の英語読みで、16cフランクフルトのゲットーで両替商の赤い看板をたてたことに由来するという。
当時のドイツは何百もの国に分かれていて、両替を必要とした。
現在のロスチャイルド家系図をたどっていくと、はっきりしたルーツはマイヤー・アムシェル(1744~1812)に辿り着く。
彼が5人の息子を5つの都市(フランクフルト・ロンドン・パリ・ウィーン・ナポリ)に分散させ、一つの権力に寄り添うことの危険を回避した。
 
マスコミの竜馬ブームから少し距離を置き、海援隊(亀山社中)⇒グラバー商会(ロスチャイルド日本支社)なども調べたい。
明治維新とは何だったのか? 少し理解できるかもしれない。