東京散策 その3

※ 円山町をもう少し続ける。
泰子は円山町のラブホテル街で直引きの買春をしていただけでなく、ホテトルにもつとめていた。
ホテトルでの勤務は土・日・祭日で、殺害される1997年3月8日にも、円山町のラブホテル「クリスタル」で4万円で売春した。このことは初公判の証拠開示で明らかになっている。

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大谷石の階段が続く右手に「道玄坂クリスタル」の看板が見える。


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ここが入り口。この数時間後に殺害される。


※ 円山町の北の高級住宅街松濤へ向かう。まずは鍋島松濤公園。

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都会の中の公園はどこもホッとする。
この日もベンチで休憩したり本を読む人、子供を遊具で遊ばせる外国人夫婦などがいた。
江戸時代は紀州徳川家下屋敷があり、明治初頭佐賀の鍋島家に払い下げられた。
鍋島家は茶畑を作っていたが、1930年代には茶畑は廃止され、この湧水池の一角が児童公園として整備された。茶畑の廃止とともに東京市に寄贈され、1950年からは渋谷区の管理になっている。


※ 戸栗美術館

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高級住宅街といわれる松濤を歩きながら、陶磁器専門の美術館である戸栗美術館へ。
ここは初めて訪れた。
入り口を入ってすぐのラウンジにセルフサービスの飲み物があり、100円でコーヒーを飲みながら休憩できる。美術館はとても疲れるので、こういう空間はありがたい。
大阪中之島の東洋陶磁美術館もそうだが、ここも殖産住宅の建設業者富士工務店社長戸栗亨のコレクションによる。
戸栗は1926年山梨生まれで、小佐野賢治と同郷。
仕事も共にし、S52年に開かれたロッキード問題調査特別委員会において、殖産住宅相互株式会社会長だった東郷民安の証言に、小佐野賢治と戸栗亨の関係が出てくる。
古伊万里が多くあったが、朝鮮の青磁白磁も展示され、ここから少し西へ行けば柳宗悦日本民藝館も近いので、一緒にみるといいかもしれない。

※ 次は円山町の南側のやはり高級住宅街といわれる南平台へ。
ここは何も下調べをしてなかったが、歩いている途中市川崑資料館を見つけた。
玄関に守衛室につながるインターホンがあったので聞いてみると、あいにく土曜日は休みとのこと。
調べて来なかったので仕方ない。

※ 駅からホテルに戻る途中インド料理店で夕食を取ることにした。
ネパールから来たという28歳の愛想の良いお兄さんがウエイターをしていた。
ゴビンダさんもネパール人で、彼も似たような年齢で日本で働いていたことを思い出した。

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夕飯のナンと2種類のカレー。
これに焼酎のお湯割りを頼んだが、大きなグラスになみなみと入った温かいのが運ばれて来た。
えーツ、こんなに薄いの?と思いながら一口飲んだらアルコールの味がしない。
そのうち小さなグラスに入った焼酎が運ばれて来た。
自分で好きに割ってくださいということなのだった。
お兄さんはずっとニコニコしていた。

ホテルに着いてスマホの歩行距離を見たら、何と10km歩いていた。
まずは1日目終了。