映画「泥の河」を思い出す

※ 薪ストーブに点火してしばらくして、一匹の虫が通風孔から這い出てきた。

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薪にくっついていた虫だろうが、炉の熱さに耐えられず出てきたものと思われる。

出てきたもののどちらへ動いても鋳物全体が熱くなってくるからそのうち下に落ちた。

この間どれくらいの時間が経っただろうか。

じっと観察しながら小栗康平監督の「泥の河」を思い出していた。

この作品の中で、郭船に暮らすきっちゃんという少年が蟹に火をつけて遊ぶシーンが出てくる。母親は郭船で身を売って二人の子供を育てているが、その鬱屈した少年の心理が蟹に残酷なことをする遊びに向かわせている。

私の観察していた心理は何かの鬱屈を反映したものとは無関係かも知れないが、すぐこの映画を思い出した。

映画を見たのは40年も前のことだが。

落下した虫は箸でつまんで外に捨てたが、すでに火傷で死んでしまったかも知れない。

 

 

※ 午後の散歩途中、北の空に虹が出た。

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