『カラマ-ゾフの兄弟』 ジュニア版

 
イメージ 1 ☆ 昨年だったか、図書館で廃棄していたこの本をもらってきていたのを思い出した。
 
以前亀山郁夫訳の文庫版がでたとき、何ヶ月かかかって5巻を読み終えたが、よくわからなかった。
長編をどうダイジェストにしているのか興味があり、もらったものだ。
 
鶴見俊輔は『カラマゾフ・・・』を5回読んだという。
彼の場合はもちろんわからないというよりは、より深く理解しようとするものだろう。
この作品はドストエフスキーが57歳のときに雑誌に連載発表され、まとまった本として出版されたのは、60歳で死去後のことで、最後の作品となった。
 
一言でいえば「父殺し」だが、父は帝政ロシア末期の象徴でもある。
また小説にでてくる父フヨードルは、ドストエフスキーが18歳のときに農民たちからうらみをうけて死去する彼の実父がモデルになっている。
つまりロシアという国やドストエフスキーの個人史を知っておくことが、この作品の理解を助ける。
 
しかし、ジュニア版とはいえ、その対象をどれほどの年齢においているのだろう。