「ドストエフスキーと愛に生きる」
★ 岡山シネマクレールまで、この映画を見に出かけた。
ドストエフスキーの翻訳を40年続けてきた、撮影当時84歳のスヴェトラーナ・ガイヤーの記録映画作品。
父親は粛清の影響で亡くなる。
母親の助言で、ドイツ語を学んでいたスヴェトラーナはナチス侵攻で語学を武器に家族を守った。
なぜドストエフスキー作品のドイツ語訳に取り組んだのか?
スヴェトラーナは自分には負い目があるという。
翻訳に取り組むことで、ウクライナにもドイツにもその責任を果たしたいのだ。
映画はスヴェトラーナの日常を淡々と描く。
市場で買い物をし、料理を作り、アイロンかけをし、孫たちと食事を楽しみ、翻訳に取り組む。
息子が事故で入院すると、手作りの食事を届けるが、息子はそのケガの影響で亡くなる。
しかし彼女はまた日常を取り戻す。
孫娘と共に数十年ぶりにウクライナを訪れるシーンも印象的だ。
翻訳作業の細かさと同時に彼女は常に全体を見る大切さを説く。
2010年87歳で亡くなる。