映画「団地」阪本順治監督 2016公開

※ 昨日午前の太極拳練習後、志度で昼食を済ませ、3人で志度音楽ホールへ向かった。
映画「団地」を観るためだが、不思議な映画だった。
SFなのかコメディーなのかファンタジーなのか…。

漢方薬の製造販売を営んでいた夫婦が、息子の事故死をきっかけに店をたたみ、団地に引っ越してくる。
ある日店の得意客だった男が、5千人分の薬の調合をを頼みにくる。
その男は地球人でなく、人間よりも進化した宇宙人だった。
進化し過ぎて体の免疫力を失い、漢方薬が必要だったのだ。
もう廃業したのだからと断るが、死んだ息子に会わせてくれるのを条件に、製造を引き受ける。
薬が完成し、引き取りに来た男とその家族らと宇宙船に乗り込むが、死んだ息子に会うための必須アイテムであるへその緒を家に置き忘れてしまい、宇宙人の男に時空を戻してもらい地球に還る。
夕飯の準備をしていると、死んだ息子がただいまと帰ってくるところで映画は終わる。

・人間よりも進化した宇宙人が、免疫力を回復するために漢方薬を必要とする。
・宇宙人の男は太陽光線に弱いのか常に日傘をさしている。

そのようなおかしさはどうでもよろしい。

阪本監督が描きたかったのはやはり「団地」なのだろう。
・噂話に尾ひれがつき、警察まで呼ぶ。
・子供を虐待する家庭
・団地自治会の悲喜こもごも

藤山直美演じる妻が、スーパーのレジ係の仕事で上司に色々注意を受けたあと、自分の着ていたボーダー柄のシャツをバーコードに見立て、客との応対を一人芝居している。その微笑ましさ。

親に虐待される子供の切なさ。

SFやファンタジーの要素が入るので、ここはどうなってんの? と感じる部分があるが、要するに阪本順治監督は藤山直美を主人公に団地を描きたかったのだと思う。

阪本順治監督の作品は初めてだったし新鮮ではあった。