むのたけじ著『たいまつ十六年』

イメージ 1 ★ 昨日読了。
吉田邸を襲った葛原法生青年、国連総会での発言がかなわなかった久保山すずさんなど、この本で知ったいくつかをこれまでにも書いてきた。
 
文庫版あとがきで著者は書いている。
――すべて書物は、それを手にする人が自分の必要や好みに応じて自由に読めばいいのであって、書いた者が読み方に注文を言ったりするのはおこがましいけれど、敢えて私の祈願を聴いていただきます。 どうか戦後の歩みをもう一度しっかとみつめ直す気風を、日本社会に高めてください。 その検証に役立つ文献は一杯ですが、この一冊をそれに加えてください。 この本の中心はごらんの通り第二部です。  一九四八年から十六年間、つまり朝鮮戦争勃発の二年前から東京オリンピック開催の一年前まで、その間の内外の時流を東北の農村地帯からみつめ続けた百三十五編の記録です。
 
その一つひとつはこま切れの時間量でも読めるはずですが、もしもあなたの関心あるいは疑問などをかきたてる一編に出会いましたら、そこを切り口として、戦後の歩みの全体を今一度なるだけ深く省察し、そして「戦後史は一体なにであったのか、なにではなかったのか」について、あなた自身の判断を煮つめてほしい。そういう努力、そういう学習が、この列島に広がって高まることを心から祈るのです。 祈らないではおれません。 ――
 
明後日、長男のところに行くので読了を勧め、感想など聞きたいものだ。
 
 
★ 辺見庸のブログを読んでいて、セミの羽化が夕方から行われることを知った。
書架にあるあかね書房刊「セミの一生」を開いてみた。
それによると、―― セミの幼虫は夕方から夜中にかけて、坑道の天井の土を崩して、地上に現れる。五年前土に潜ったセミの子のうち、いろいろな敵の目を逃れて、再び外に出てくるものは、ほんのわずかにすぎない。 じっととまっていた幼虫が力みはじめると、間もなく背中の皮が割れて、羽化が始まる。 土で汚れた皮の裂け目から、薄緑色のみずみずしいからだが出てくる。 10分もすると、頭がすっかりあらわれ、もみくちゃの羽もひきだされ、・・・――(わたしが明け方、羽化に失敗したセミを何度か見たのは、いずれも10分以内に異変が起きたものだった)
羽が伸びきるのも羽化の開始から1時間もすれば終わるそうだ。
その後2~3時間で体全体が色づきかたくなり、親らしくなる。
クマゼミは明けきっていない空に飛び立つが、アブラゼミは翌日の午後になって飛び去ることもあるそうだ。 大声でなけるまでには、四日ほどかかるとのこと。
 
 
★ ゴーヤの苦さがどうも苦手だった。
先日、薄く切って先にゴーヤを焦げる寸前まで炒めてから肉や豆腐などを入れ、チャンプルを作ったら、ほとんど苦みがなかった。
私の調理法は、ゴーヤの炒め方が不十分だったことがわかった。
それまで、酢を少し垂らしたりしてみたがあまり効果はなかった。
ゴーヤはよく火を通すに限る。