「喪の途上にて」野田正彰著

 
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★ 精神科医野田正彰によって書かれた、主に1985年日航機墜落事故遺族の悲哀の研究だ。
事故は8月12日の夕方で、10月に次男を出産予定だった私は、大きなお腹でこのニュースを聞いた。
 
この本に当時妻(47歳)と娘(22歳)を事故で亡くした小豆島の整形外科医U先生が登場する。
1970年代後半の3年間、私は小豆島に暮し、その頃中学生だったU先生の娘さんを少し知っている。
この本に出会って少し事故前後のU先生の周辺を知ることができた。
 
著者は書いている。
――悲哀も人生に於いてなくてはならない感情であるということだ。 私は悲哀を軽減するために、この文章を書いているわけではない。
悲しみを十分に、しかし病的にならないように体験し、起こってしまった悲劇の向こうに再び次の人生を見つけ出さんがためである。
適度の仕事、社会的役割が再起にプラスに作用していると考えられても、それは悲哀を軽減する処方箋としてではない。
人はそれぞれに十分な悲しみを背負うことが許されている。
悲しみとは愛の別のことばに他ならない。
愛がないところに悲しみはない。 愛の後には悲しみが来るのであり、悲しみは愛の予兆であり余韻であるともいえる。――
 
 
 
★ 16~17日は次男が帰り、夫のノートパソコン購入と初期設定、古いパソコンのデータ消去をやってもらった。
26時間の帰省だった。