四国電力伊方原発3号機運転差し止め抗告審決定

※ 今月13日の広島高裁決定を聞き、野々上知之裁判長がその9日後に定年退官を迎えたことを知った。

すぐに頭に浮かんだのが、1952年黒澤明監督の「生きる」だ。
この作品は市役所市民課長の男(50歳くらいか?)が末期癌であることを知り、生きることや仕事をすることの意味を探り始め、それまで何年もの間住民から苦情が出ていたにも関わらず、無視し続けていた下水溜りを改善し、小さな公園を作ることに残りの命をかける話だ。

黒澤の作品で一番好きなのは「デルス・ウザーラ」、二番目は「生きる」かな。
野々上裁判長も命をかけて審理したのだろう。

この13日の高裁決定に関して、柳田邦男氏が12/23付毎日新聞に寄稿している。
それによると、広島高裁判断の根拠になったのが、まだ十分に解析されていない9万年前の阿蘇山最大の噴火だという。

私はこれなら信頼できると思う。
これまで何度、想定外という言葉を聞いてきただろう。
東日本大震災では2万人が亡くなり、ほとんど報道されないが震災関連自殺は福島だけでも2017年で80人。

柳田氏はまた日本の法制度では、噴火対策について原子力規制委員会の審査以外には法的規制をしておらず、さらに発生頻度が著しく小さい自然災害のリスクは無視してよいというのが社会通念になっている、と述べている。
こういう中で、住民の生命・財産を守ることを大前提にして、たとえ発生確率が小さくても結果が重大である場合には万全の対策をとるべきだという、防災対策思想の住民中心への転換を示した点に、画期的な評価を与えている。
2002年に文科省の専門家による地震本部が、三陸沖から福島沖、房総沖にかけての日本海溝沿いにM8級巨大地震発生の恐れの報告書をまとめたが、中央防災会議事務局(内閣府)が横槍を入れた。
2006年の中央防災会議専門調査会が、平安時代貞観地震を考慮して対策を立てるべきと主張したにも関わらず、やはり事務局は無視した。

そして、2011年3月11日が来る。
このような経過が明らかなのに、なぜ中央防災会議事務局の責任が問われない?

中央防災会議は3・11で変わったのか?

広島高裁決定から6日後の今月19日、地震調査委員会は千島海溝沿いで巨大地震が、30年以内に最大40%の確率で発生すると発表した。

柳田氏は広島高裁決定と千島海溝巨大地震の発生予測公表に、新しい状況を見ている。



※ 12月15日夜から症状が出た私の風邪は22日に全く声が出なくなり、今日25日もまだ声は出ない。でも微熱も出なくなり、カラダ的にはとても楽になっている。
今回の教訓は、年相応に体力はなくなり、抵抗力も衰えているので、自信過剰にならないこと。
医者に処方された薬は素直に飲んで、言われた通りにすること。

予定では28日に抗生剤の影響が切れるので、29日から晩酌ができるのが楽しみだ。