「裸の島」

日経新聞文化欄「私の履歴書」今月は新藤兼人監督だが、先日「裸の島」撮影について書かれていた。

わたしは好きな映画を3本あげよと言われたら、この作品はその中に入る。
撮影場所は広島県三原市にある「宿祢島(すくねじま)」という周囲600mほどの小さな島ということがわかった。
調べようと思えばインターネットですぐにわかっただろうが、なぜかこの記事で知ってとてもうれしかった。
1960年当時でもこの島へ行く手段はなく、監督も三原から漁船を雇って、船着き場もない島へ渡ったとある。
ところがここは無人島ではなく、旧満州からの引き揚げ老人が廃人のような生活を送っていたそうだ。

映画では土に挿したサツマイモの蔓に水をやっていたような記憶があるが、違っているかも知れない。
乙羽信子殿山泰司伝馬船を漕ぐ技術と肥桶を天秤棒で担ぐ練習を一週間やったとある。
撮影に60日間、総スタッフは12名。子役は現地のこどもだそうだ。

近くに「佐木島」という大きな島があるので、そこから船をチャーターしてぜひ訪れてみたい。
50年近く前の撮影の痕跡はないだろうが・・・。