「はじめての構造主義」橋爪大三郎著 講談社現代新書

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★ 何年前だったか娘が置いていた本。
橋爪の写真がとても若い。 読み止しにしたままにしておいたが、新書なので旅のリュックに入れて置いた。
帰りの新幹線とマリンライナーで読み終えた。
わたしの「構造主義」の理解は24pに凝縮されている。
――西欧近代は、知らずしらずのうちに、東洋やいわゆる「未開」の社会を、劣ったもの、自分たちより遅れたものと見なしてきた。 それがどんなに根拠のないことか、はっきり示せるのが構造主義である。 構造主義は、どんな「未開」の社会だろうと、われわれの社会に劣らない豊かな精神世界をそなえていることを、教えてくれた。 「未開」の人びとは、決して「迷信深い」わけでも、「原始的」なわけでもない。正しく「解読」すれば、立派に理性的な思考にのっとっていることがわかる。 (略) 構造主義は西欧近代が特権的な中心でなければ気がすまないという偏見を、打ち砕いてゆく。 西欧近代の腹の中から生まれながら、西欧近代を食い破る、相対化の思想である。――
 
これを読んで、エドワード・サイードの「オリエンタリズム」が浮かんだ。
イード以降オリエンタリズムは単なる東洋趣味でなく、近代西欧が他を野蛮・後進と見なすことにより、自らを文明・進歩と位置付けたことを指す。
この思想は、西欧は他の地域を文明化する使命があるというような妄想を伴いながら、西欧の非西欧地域への侵略・植民地化を支え、正当化する働きを成した。
明治の日本は文明国の側に立つために、自らの近くに野蛮を作り出し、その餌食になったのがアイヌ琉球・朝鮮・中国だった。(日本型オリエンタリズム)
 
 
★ 3ヶ月前に購入したデジカメが、旅先で何度も電源が入らなくなる不具合があり、帰宅後すぐ修理に出した。 一週間経ち、まだ返却できないということで、同一機種の新しい製品を準備したと連絡があった。 それはいいが、苦手なwi-fi設定などをやり直すのが面倒だ。